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コラム

同じPDFでも、AIが数量を出せる図面と出せない図面がある

「図面のPDFを送れば数量が出ますか」と聞かれたら、答えは図面によって変わります。同じPDFという拡張子でも、中身は別物だからです。

PDFには、大きく2種類あります。CADや作図ソフトから書き出したものは、線の始点と終点、文字の位置と内容が、座標の一覧として入っています。紙やホワイトボードを撮って作ったものは、画素の集まりです。

画面で見ると見分けがつきません。拡大すると分かります。どこまで拡大しても線がくっきりしているなら座標が入っています。ぼやけたら絵です。

座標が入っている図面では、AIに推定させずに数量が出る

座標が入っていれば、線の長さは計算で出ます。目分量は要りません。

実測の例です。A1判23枚のセットで、図面に印字されている文字と寸法だけを座標から読み、1,627か所の情報を取りました。このうち推定で埋めた箇所はゼロです。AIの画像認識にかけた回数もゼロでした。

縮尺も自分で合わせられます。図面に印字されている寸法の数字と、その寸法線の実際の座標上の長さを突き合わせれば、1ミリが図面上の何単位かが分かります。図面に「S=1/50」と書いてあるかどうかに頼りません。1ページに2つの図が載っていて縮尺が違う場合も、図ごとに合わせられます。実際に、1ページ2図で別々に合わせて、印字寸法との誤差は0.05%でした。

この方式の良いところは、間違えたときに理由が言えることです。数量の各行に、図面のどの座標のどの線を測ったかが残ります。合わなければ、その線を見に行けます。

絵の図面では、読める分と読めない分が混ざる

スキャンや写真の図面には座標がありません。線の長さを出すには、画像の中で線を見つけて、縮尺を推定して、掛けることになります。推定が2回入ります。

それでも、寸法の数字が読める図面なら数量は出せます。文字として読めた寸法を使うからです。読めない箇所は、数量になりません。

ここで大事なのは、読めなかった箇所を空欄のまま残すことです。全部の行に数字が入っている拾い出し表は、読めなかったところを目分量で埋めています。正しい扱いは「現地で測る」として分けて残すことで、寸法の無い間取り図や手書きのスケッチでは、この行が多くなります。

自分の図面がどちらか、30秒で確かめる

PDFを開いて、文字の部分をマウスでなぞってみてください。文字が選択できて、コピーできるなら座標が入っています。なぞっても何も起きないなら絵です。

もう1つの見分け方は、400%まで拡大することです。線の縁がなめらかなままなら座標、ギザギザになるなら画素です。

設計事務所やゼネコンから届く実施図面は、多くが座標入りです。協力業者へ回ってくる途中でスキャンや印刷が挟まると、絵に変わります。同じ建物の図面でも、届いた経路によって別物になります。

座標が入っていても、そのままでは数量にならない

座標があれば正しく出る、という話ではありません。座標があるからこそ、図面に書いてある全部が数量の候補になります。範囲を示す網掛け、図枠の中の共通の表、寸法の補助線。これらを部材として数えると、存在しない数量が積み上がります。

実際にそれぞれで、存在しない配管の延長や、数百件の架空の計上が出ました。どこで狂うかは別の記事にまとめています。

図面の拾い出しをAIにやらせると、どこで数字が狂うか

よくある質問

PDFが座標入りか絵か、どうやって見分けますか

PDFを開いて文字をなぞってみてください。選択できてコピーできるなら座標入りです。400%まで拡大して線の縁がギザギザになるなら絵です。

絵の図面でも数量は出せますか

寸法の数字が読める箇所は出せます。読めない箇所は数量にならず、「現地で測る」として分けて残します。全部の行に数字が入っている表は、読めなかったところを目分量で埋めています。

縮尺が図面に書いていなくても大丈夫ですか

座標入りの図面なら大丈夫です。印字されている寸法の数字と、その寸法線の座標上の長さを突き合わせれば縮尺が出ます。1ページに縮尺の違う図が2つ載っていても、図ごとに合わせられます。

CADのファイルそのもの(DWGなど)を渡したほうがいいですか

渡せるなら確実です。ただしCADから書き出したPDFでも、線と文字の座標は残っているので同じように扱えます。協力業者に回る図面はPDFであることが多いので、PDFのまま読める作りにしています。

手元の図面で確かめられます

株式会社and°は、図面から数量を拾うAIを内装リフォームの元請けの現場で開発し、使いながら直しています。座標入りか絵かも含めて、1枚あればその場で分かります。

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